「パシャ！」「カシャカシャ！！」
スタジオ内にはカメラのシャッター音が響き渡る。

その中心にいたのは・・・

「希望ちゃん、今日も最高だね！！」

「いつ見てもキレイだね！！」

ディレクターやカメラマンからは感嘆の声しか聞こえない
そんな中、彼女は・・・

「やめてくださ〜い・・・。でも、こんな自然体で撮影できるのも皆さんのおかげです！！」

と恥ずかしがりながらも、弾ける笑顔で男だけでなく女性すらメロメロさせる。

彼女の名前は、鈴木希望。
ここ１年で一気に人気モデルにまで駆け上がった新鋭モデルだ。
秋田県出身で旅行で東京に訪れた際にスカウトされ、インスタグラムで投稿されたいいね数は10万件と大いにバズったことで知名度が急上昇。
そして、大学と卒業と同時に芸能界入りし、弾ける笑顔にほんわかした性格が大いにウケて一躍人気者になった。
公式のSNSのフォロワーは100万人を超えて、名実ともにトップモデルの仲間入りとなった。

「今日はこれで終わり！お疲れさまでした〜！」

ディレクターが撮影の終了の音頭をとって撮影が終了した。

「ふぅ〜。今日も楽しかったなぁ〜・・・・」と笑顔で楽屋に戻ってスマホを見るとモデル仲間の綾からLINEが届いていた。

”今日２０時から乃木坂でご飯食べに行かない？”と連絡があった。
現在１５時でこの後の予定も特にないため、希望はすぐに

”いくいく！それじゃいつものところで待ってるね！”と返信し、一度家に帰り身体を休めた。



２０時１５分。いつものところで待っていた希望は、

「綾ちゃん遅いなあ・・・まっいつものことか〜！」と独り言を言っていると・・・

「のんちゃんごめ〜〜〜ん！！！撮影がぎっりぎりに終わって・・・待った！！？」

「綾ちゃんは何もないときでも３０分遅れるから・・・今日は全然待ってないよ！！」と返した。

「のんちゃんは本当に優しいな・・・そしたら行こっか！！！」

希望の親友の大朝綾は希望の２つ年上だが、明るい性格で行動力のある美しい女性だ。
希望が芸能界に入ってからすぐに仲良くなった。お互いのフィーリングが合ったことで、今は姉妹のような間柄となった。

と彼女たちはいつもの場所で食事をとった。
そこでは常に笑いが絶えず二人にとっては、至福の時間となった。

二人とも少し飲みすぎてしまった見たいで・・・

「ちょっと飲みすぎちゃったね・・・」

「ほんとっに！」「でものんちゃん、でも今日はありがとね！」

「ううん。今日も誘ってくれてありがとう！楽しかったあ〜」

と希望が満面の笑みで綾を見ると、

「明日一緒の撮影だね！楽しみ〜」と綾が言って、

「わたしここから家近いから歩いて帰るね！また明日ね！」

と笑顔で希望が言うと

「気をつけてね、ただでさえおそいんだから、、、、」

綾は心配そうに言うと、

「大丈夫だって！じゃあねぇ〜。」


希望はここから近いところに家があるため、酔い覚ましのために歩いて帰ることにした。
（今日は楽しかったな・・・最近は毎日が本当に充実しているし、感謝しないとなっ！）と物思いにふけりながら帰路についた。


帰宅まで残り５分に差し掛かったところの道で妙な取引をしている現場に遭遇した。


（こんな夜の遅い時間に何やっているんだろう・・・）と不審に思った希望だが、徐々に悪い予感は的中していく。

男たち三人がやはり取り引きを行っており、

「これが例のブツだ。大体５０gくらいだな。」

「サンキュー。」と薬物の取り引きをだった。

これはまずいと思い、バレずに引き返そうとした時に足元にあった何かを踏み・・・




”バリン！！！”


（えっっ！？？）


と大きな音を立ててしまった

おそらく足元に落ちていたガラスの破片を踏んでしまったのだろう。

「なんだ？？」

と男たちに気づかれてしまった希望は焦った。

（やばい・・・逃げなきゃ！！）と咄嗟に感じて一目散に走り出した。

「待て！女！！」「まずい取り引きの現場を目撃されたぞ！」

焦りを見せながらも希望を追った。

（何とか巻かないと！あっ！あの人に助けを！！）と対面にいた男に助けを求めた。

「助けて！！！」


と端正な男性に向けて助けを求めた希望に気づいた男性は

「大丈夫！？？」「どうした！」

と問うと、

「薬物の取引の現場を見てしまって・・・。今追われているんです！助けて！」

と助けを懇願した。

「まじか！今から警察行こう！」

と男が言うと

「すぐに！」

と返した。

しかし、ここで希美は大きなミスを犯してしまった・・・
希望が犯した大きなミスは見知らぬ優しそうな男に完全に安心してしまったことだった・・・



実はこの男・・・


「お姉さん、あの現場を見ちゃったみたいだね。ダメだなあ・・・」

「あれ、俺の仲間なんだあ〜」

と不敵な笑みを見せて、ハンカチを取り出すと、すぐに希美の顔に押さえつけた

「えっ？（うそ！？そんな・・・）」と気づいた時には既に遅し・・・

ハンカチで顔を覆われてしまった・・・・

「助け・・・・・うぅ！！！（ヤダ！！　離して！！！）」

「んぅ？　うぅう！！（えっ！何！！　なんか変な臭いが・・・）」

突然覆われたハンカチにクロロフォルムを仕込んだ男は希望の顔を強く塞ぎ、完全にマウントをとってしまった。
（なんか身体が重たい・・・）
と徐々に意識を奪われ・・・

「うぅ・・・・」
ドサッ！！

希望は完全に意識を失い、男に完全に身体を預けるように倒れた。

「よっとお！」と男は希望をしっかり支えて体制を整えると、ミニバンが到着した。
そこには先ほど取引をしていた三人の男が乗っていた。

「お待たせ！渡部！」運転手の男が言うと、

「おせえよ・・・」と希望を担いでバンに優しく横にさせるとそこには、大量の縄とダクトテープが準備されていた。

「お、準備がいいね。早速のこの子を逃げられないようにしっかりお化粧を施さないとねwww」

と希望をうつ伏せにして、手首を後ろ手をしっかり伸ばし・・・

「この子めちゃくちゃ綺麗だな〜。モデルかなんかだろう」

と少し暗い空間のための、希美であることははっきりと認識できないが、

後ろ手をしっかり伸ばし手首に6本の縄を巻き付けた。

ギュッ・・・ギリリ・・・ギュチチ・・・！

希美の腕は後ろ手に棒状になったまま、自由を制限される。

男は希望の肌にしっかり巻きつけるようにしっかり縛り上げた。

手首にしっかり留め縄をした後長く伸びた縄尻をそのまま胸に巻き付けた。
上下6本ずつしっかり縄を這わせた後に、谷間に縄を通してえV字に絞り、胸の形が顕になった。

男たちは若干の興奮をした後、縄尻をしっかり背中に縛り、そして、残った縄で、
太もも、膝上・膝下、足首にそれぞれ留め縄付でしっかり縛り上げ、全ての縄を希望の体に巻き付けた。

しかし背中の縄尻は余ってしまったようで、

「縄尻伸ばしすぎたな〜。いきなり起きて暴れても困るから、とりあえずここに繋いでおくか。」

[pixivimage:83644069-1]


と後部座席の手すりに背中の縄尻を繋ぎ止めた。これで希美は縛られた状態でその場から逃げ出すことができなくなった。
まあ、手足を厳重に縛られているためそもそも逃げ出すこと自体不可能ではあるが・・・

男たちの周到さが窺える。

そして、男は手際よくダクトテープを手にとって、

ビリッ！ビリリッ！！

と口サイズに切って、希望の口にしっかり貼り付けた。

希美の唇がしっかり浮き出るように、ピッチリ貼り付けて、口の自由も厳重に塞いだ。

「んっ」希望は意識を失っているが、無意識に呻き声をあげたが、自分が置かれた環境にまだ気づいていない。

「よし、完了！しっかしこの女めちゃくちゃ可愛いなと思ったら、鈴木希望ちゃんじゃんか！」

と男が言うと・・・

「まじかよ！」「あのモデル？」「やべえな！」とそれぞれに興奮を覚えた男たちは・・・

「とりあえず、アジトまで運んでその後楽しもうか。」と希望を縛り上げた男が言うと、

「そうだな渡部。」と運転手が言って、ミニバンを走らせた。

ブロロロ・・・・
徐々に東京都心から車の音が消えていき、誰にも気づかれないまま希美は拉致されてしまった。

クロロフォルムと酔いも回っているせいか、ぐったりと完全に意識を失ってしまっているようだ。
自分が厳重に自由を制限されているということを知らずに・・・




捕まってしまった希望は果たしてどうなってしまうのだろうか・・・





翌日・・・
綾は今日の撮影をとても楽しみにしていた。

「今日はのんちゃんと久々の撮影だもんね〜。久しぶりにお洒落して行こうかな。その後ランチでも誘おっと！」

と呟きながら軽足で撮影に向かった。

「おはよう！！！」

元気よく撮影場で挨拶しをかわす綾。
しかし、希望のマネージャーの顔は少し険しい。

「のんマネ、どうしたの？？」

と綾は少し心配そうに聞くと、マネジャーが綾に泣きついてきた。

「のんちゃんが昨日帰ってきてないの。今日家まで迎えに行ったんだけど全然出てこなくて・・・」

「こっちに来ても出ないから電話しても出ないし・・・綾ちゃん何か知らない？？」

綾の顔は一気に青ざめたが、冷静に

「昨日は夜お遅くまでご飯食べてて・・・その後、のんちゃんは”酔い覚ましがてら歩いて帰る”って言って歩いて帰ったの。」
「家が近いから大丈夫かなと思ったけど、もしかして・・・」

少し言葉に詰まった綾は・・・

「誘拐されたのかも」

と口に出すと現場は騒然となった。

「嘘でしょ？」「そんなバカな・：・・」

などの言葉が。
しかし綾はそれを制止するように

「いいえ。ありえるわ。のんちゃんが無断で仕事を休むって絶対にあり得ない。現場をよく知っているあなたたちなら知ってるでしょ。絶対昨日のうちに何かあったんだわ。」

「警察に連絡した方がいいかもしれないわ」

とマネージャーも加勢し、綾が

「そうね。待ってるのが一番危ないから、まずは警察に連絡しましょう」

とすぐに行動にでた。

（のんちゃん、どこにいるの。電話に出て！！！）

と心の中では、かなり動揺してしまっていた綾。
果たして、希望を見つけることはできるのだろうか？



一方・・・

（んっ・・・？）
（うぅ、頭いた〜い・・・昨日は飲みすぎちゃった。ちょっと二日酔いかも。）

と少し頭痛がする希望であるが・・・

（起きないと！今日は撮影だし・・・）
と身体を動かそうとすると・・・

ギリリ・・・ギュチイ・・・

（痛っ！！　えっ何？？）


身体が自由に動かないことにびっくりした。
そいて声を出そうとすると・・・

「ん？うぅぅ〜〜〜！！！（え、どう言うこと！？）」

声も出すことができない

（！！！！！！！）（私どうなってしまってるの！？）

と、一度パニックになりかけたが

（とにかく一回落ち着こう。とりあえず私が今置かれている状況は？？）

と辺りを見渡すと・・・

殺風景で何もない。
そして、自分自身を見下ろすと・・・

（！！！！！！！！！！！！？？？？？）

希望は驚愕した。

まず、両手は後ろ手に回され、突き出したまましっかり留め縄付きで縛られ両手を前に出すことができない。

そして上半身は、胸を挟むように上下にしっかり縄が通され、上下の脇には留め縄を施されて縄がずれないようにしっかり補強されていた。
さらに胸の谷間にも這わされており、V字縄が通されて背中に繋ぎ止められていた

（そうだ！昨日の夜にあの現場を目撃しちゃって、捕まったんだっ！）

ようやく自分が置かれた状況に対して、記憶が蘇った。

（上半身が縛れてるだけなら逃げられる！だって足が自由なんだから！！）

と思って足元を見ると絶望の表情になった。

（あぁ・・・そ、そんな・・・）

そうである。

足には、なんと関節の至るところに縄が這わされていた。

太もも、膝上、膝下、足首に留め縄つきでしっかり縛られていた。
脚に４箇所に縄をかけられていては、動かすことすらままならない。

（どうしよう。これじゃ、逃げようがないじゃない・・・）

（いや、跳んででもとにかく逃げないと！）

諦められない希望は全身を縄で戒められながらも、なんとか立ち上がり。

「んぅぅ！！！！（逃げないと！！）」

ピョン、ピョン・・・・
（何とかいけ・・・）

[pixivimage:83644069-2]

ビンっ！！！！！！

「ウグゥぅ！！！！（いっった！！！！何？？）」

何かに引っかかり、受け身を取れずに盛大に転んだ。

（なんなの一体！はっ！！！）
なぜ、引っかかった感覚に陥ったのかが後ろを振り返ると理解した。

なんと、壁のフックに長く伸びた縄尻が繋ぎ止められていた。
そう。つまり希望は２m以上から身体を移動させることが許されなかった・・・

「ん、んぅぅ・・・（そんな・・・ここからもう逃げ出せないのね・・・）」

なんと周到な男たちなのだろうか。

希望は、縄抜けをして逃げ出そうとする気力が失われ、

「ふぅ（うぅ）・・・」

とため息を吐いて、大人しくした。



と、その時・・・

ガチャリ！！

（！！！！！！！）
希望は身体を硬直させて、その先をじっと見つめると

「おお、お目覚めだね！おはよう。」

とリーダー格の渡部がテンション高めに言葉を発した。

「いやあ、本当に鈴木希望ちゃんだなんてよぉ」

「俺たちついてるな！！独り占めできるなんて！！！」

男がそれぞれ、興奮を抑えるように言葉を発した。

「大人しくしていたみたいだね。でも、こんな厳重に身体を縛られていたら逃げ出せないか。ククク。」

と不敵な笑みをこぼした。

（くぅ、悔しい・・・）
と希望は悔しがったが、確かに今の状況では逃げ出すことができない。

そこで渡辺は、衝撃の言葉を発した。

「なぁ、希望ちゃん。モデルの大朝綾と親友なんだなあ・・・」

（！！！！！！！！）
「んぅぅ！！！！！！！（え、なんで知っているの？？）」

「へへ、渡部、やっぱり図星みたいだぜ！！」

「ああ、やっぱりそうみたいだな。君のスマホからものすごく着信がかかってきているからね。」

（あ、綾！！！）

「今から電話して、金を持って来させる。３億円だ。お前の人質の身代金としてなあ」

「んん！！（綾は関係ないでしょ！）」

しかし言葉を発することができないことがもどかしい。
口にダクトテープで補強されていなければ・・・

すると渡部は、

「これから大朝綾にこちらから連絡する。一度親友を話す機会を設けてやろう。その時一度ダクトテープを剥がしてやる。いいな。」

希望は抵抗できないことは悟っているため、

「うぅ・・・（わかったわ。）」

と俯くようにして頷いた。
そこには、涙がこぼれ落ちていた。

「よし、ディールだ！ほらよっ！」

ビリリ！！
勢いよく希望に口に貼られた忌々しいダクトテープを半分剥がした。

「これで喋れるだろ？叫んだりしたらすぐ塞いでやるからな。」

「はあ、はぁ・・・・　わ、わかったわ」

ようやくテープが剥がされ、口の自由が戻った希望は久々に言葉を出すことができたが・・・

「お前のスマホは顔認証だからね。口を覆われていたらロックが解除できないからね。」

と渡部はテープを剥がすとすかさず、希望のスマホを顔の前にかざして、ロックを解除した。

「よし、大朝綾ちゃんにFacetimeで希望ちゃんの状況を伝えるぞ〜！！」

と渡部たちは帽子、サングラス、マスクをつけ、ヘロインガスで声を変えた。
なんて周到な男たちだろうか。
そして、

プルルル・・・・

（あぁ・・・綾ちゃん、どうか出ないで！！！）
希望はそう願うが・・・



場は綾の現場に変わり・・・

綾たちの現場は慌てふためいていた。
しかし、綾は楽屋で一人休んでいた。

（のんちゃんどうか無事でいて・・・）

警察はまだきていない。

すると・・・

ブーーー、ブーーーーー！！！

突然綾のスマホに着信音が鳴った。
着信はなんと希美からだった。

「の、のんちゃんからだ！　いつものFacetime! 無事なんだ・・・」

希望と綾は、話をするときはFaceTimeを使って話すほど仲が良いのだ。
すかさず着信ボタンを押してすぐに

「のんちゃん！今どこにいるの？だいじょ・・・」

綾の声はすぐに遮られ・・・

「大朝綾ちゃんの携帯かな？？おお、本物だ〜www」

と渡部はサングラス、帽子、マスク姿で声を変えた声で綾の電話に出た。
綾はこれは、希望は本当に誘拐されたと言うことを悟り・・・

「のんちゃんはどこなの！？？無事なの！！！？？」

と声を荒げた。

しかし、男は冷静に

「ああ、すぐそばにいるよ。だけど、声を聞かせるにはちょいと条件がある。一人の空間で俺を話せ。誰もいないところでだ。まさか警察には言っていないだろうなあ？？」

と渡部は条件を提示した。

綾は警察のことは言ったらまずいと直感的に感じ、

「警察には言ってないわ。私も今は楽屋で一人よ。ほら。」

FaceTimeで楽屋の状況を犯人たちに見せると納得したようで、

「いい子だ。それじゃはご対面だあ！！」

と渡部は画面を移動させ・・・

「なっ！！！！！のんちゃん！！」


希望が画面越しに現れると綾は驚愕した。

希望は全身を縄で厳重に縛られており、自由を大きく制限されていた。
さらに背中に伸びた縄尻がフックに繋がれており、その場から移動することさえ、ままならない。
さらに口にはダクトテープが顔にぶら下がっている。先ほどまで口も塞がれていたのだろう。


「なんてことを！のんちゃんを返して！！」

「おお、いいのかい？こっちは人質がいるんだぞ？いいのかい。そんな攻撃的な姿勢で。」

「くっ・・・」

綾はすっかり意気消沈すると渡部がすかさず、

「置かれた状況を理解したようだな。希望ちゃんを解放する条件を今から言うから聞き逃すなよ。」

「わかったわ。」

悔しいが、綾は男たちにイニシアチブを取られるしかなかった。

「明日の２０時までに現金３億円をこの後指定する場所に持ってこい。一人で来いよ。警察やマネージャー一人でも連れて来てみろ。希望ちゃんの命はないからな。」

と綾と希望を脅した。

「そんな大金、私には持っていないわ。」

「そうか、じゃあ希望ちゃんとはここでお別れだな。」

と渡部は希望に拳銃を突きつけると・・・

「まっ待って！！！！わかったわ！明日までに絶対準備する。だから絶対にのんちゃんに傷つけないで！！」

「いいだろう。優しいねえ。そしたら、希望ちゃんのスマホからお前に指示を出すから、しっかり返信をするようにしろよ。」


と綾に条件を出して、

「わかったわ。のんちゃんと話をさせて。そのためにテープを剥がしてくれたんでしょ？」

「わかってるじゃん！　ほおら希望ちゃん、綾ちゃんと話せるよ〜」

と渡部は希望にスマホを近づけると希望は、

「綾ちゃんごめん、こんなことに巻き込んじゃって・・・・私のことはいいから、みんなに今日は風邪で休んでるって伝えといて！！綾ちゃんは危険なことに首突っ込んじゃダメ！！」

と希望は何かを訴えたかったが、

「何言ってるの！絶対に助けるから。待ってて！」

と絶対に希望を救おうという目に変わった綾。

しかし、これ以上の話は渡部に制止され、


「はい、そこまで〜。じゃっ綾ちゃん待ってるね〜」

と言い、希望の顔にブラブラとぶら下がっていたダクトテープを再び希望の口に強く貼り付け厳重に封じた。

[pixivimage:83644069-3]


「んんんぅ！！！（綾ちゃん！来ちゃダメ。狙いはあなたなの！！！）」



と男たちの本当の狙いを伝えることができずに再び口を塞がれてしまった。
その光景を見た綾は、

（絶対にのんちゃんを助ける！すぐに行かなきゃ！！！）

と画面を見るとFaceTimeは終了していた。

綾はすぐに楽屋を飛び出し、希望の救出に出た。




監禁現場では

「これで大朝綾ちゃんも捕らえることができるなんてな！楽しみだぜ！」

と男たちは興奮していると、

「希望ちゃん、少し俺たちは用事があるから一回外すよ。大人しく待ってね。それ次第では大朝綾ちゃんの処遇を決めるからね。」

と希望を脅して大人しくさせた。

「んぅ（お願いだから綾ちゃんをお巻き込まないで）！！！」

と呻き声を上げながら男たちに懇願した。

そして男たちはドアをしっかり止めて施錠した。

一人取り残された希望は・・・

（何とか逃げ出さないと！綾ちゃんを巻き込んじゃいけない！！）

と再び逃げる決心をした。

果たして希望は綾が来るまでに逃げ出すことができるのだろうか？

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